LPCグループに入社したのは2010年です。大学の4年間は関東で過ごしましたが、卒業後は地元である島根に戻って働きたいという思いが強くありました。

就職活動を進める中で出会ったのが、LPCグループの「島根を遊びで元気にしよう」という新卒採用のキャッチフレーズでした。その言葉が、漠然と抱いていた「島根を盛り上げたい」という自身の思いと重なり、強く心を惹かれたことを覚えています。

入社当時のLPCグループは、現在のようにホテルや飲食事業がそれほど大きくなく、パチンコ事業が中心でした。私も最初の2ヶ月はパチンコ店で研修を受けましたが、その後、本社へ異動し8年間にわたり、経理や総務などの業務を担当しました。

転機となったのは、ホテルから経理業務のヘルプ要請を受けたことです。当初は必要な時だけホテルをサポートする形で、本社業務と半々程度でした。

本社ではお客様と接する機会があまりありませんが、ホテルではお客様と直接関わる機会が多く、それが非常に楽しく刺激的でした。この経験から「ホテルでお客様と接する仕事をしたい」という気持ちが強くなり、昇格試験後の役員面談でその思いを伝えた結果、2018年春に正式にホテルへの異動が決まりました。

ホテルの仕事の一番のやりがいは、お客様の反応がダイレクトに、そしてストレートに伝わってくる点です。私たちの対応がお客様の心に届けば、「ありがとう」という感謝の言葉や素敵な笑顔がすぐに返ってきます。逆にご満足いただけなかった場合は、それがすぐに表情や態度に表れます。だからこそ、お客様が何を求めているのかを常に考え、言われる前に行動できた時には、大きな喜びとやりがいを感じます。

特に印象に残っているのは、私が担当させていただいていた、ある企業様とのエピソードです。担当して2年目の年、宴会の打ち合わせ中に「岸本さん、一緒に踊ってほしい」とお誘いいただいたのです。その企業様は毎年、社員の方々がダンスなどの出し物を披露されるのですが、その年は「ホテルのスタッフも巻き込んで、もっと楽しいステージにしたい」と考えてくださったようでした。

私ともう一人のサービススタッフ、さらには厨房スタッフも参加させていただき、教わったダンスを一緒に踊りました。お客様が主役の宴会で、私たちが余興に参加するなど前代未聞の経験でしたが、会場の皆様から温かい拍手をいただき、まるで自分たちもその輪の中に入れてもらえたような、一体感のある素晴らしい時間でした。

宴会後に料理を運んでいたときも「さっき踊ってた人だよね！」と声をかけていただき、お客様との距離がぐっと縮まったのを感じ、心に残る良い思い出となっています。